空飛びネコのお気楽グリーンライフ

リニューアルしました。サボテン・多肉・チランジア、時々ベランダ菜園

何か違うVanda

いくつかランを育てています。

ランと言えば熱烈な愛好家が多数いるカテゴリーで、うかつに足を踏み入れられない感じです。
私はごくごく軽めの愛好家で、職場で枯死寸前の鉢を救出して余っている流木等に着生させている程度です(着生好き)。


温度と湿度に注意するくらいで、ろくに肥料もあげずに育てていますが、着生により根がいつも外に触れているおかげで株はとても元気です。
そして毎年花を咲かせてくれます。

カトレヤ チョコレートドロップ

貧栄養なので花の数が少ないのはご愛敬。


ところで、数少ないランの中には購入したものもあります。

Vanda coerulea (右端)

バンダ属(ヒスイラン属)のランです。
代表的なのはV. coeruleaで、網目模様の青い花が咲きます。

神代植物公園 温室にて

この花がとても気に入って未開花株を手に入れ2年ほど育ててきました。


昨年夏頃から花芽を延ばし始めたので、ついに咲くかと楽しみにしていたのですが

思っていたのと違う

目をこらせば網目はあるけど、青色が薄いし花弁の縁が波打っている。

色々調べた結果、やはりV.coeruleaで間違いなさそう、しかも野生株っぽいので貴重と言えば貴重。
もちろんこれも美しいんですよ。

でもでもでも~
濃い青のバンダが欲しいーーー(TT)

シクラメンのかほり

週間はてなブログで拙ブログを紹介していただき、放置を反省しましたので早速更新します。

blog.hatenablog.com

でもま、「お気楽グリーンライフ」ですから緩さは忘れずに。


何度か書いていますが原種が好きです。
改良は「良」だけあって花が大きく美しくなったり、丈夫になったり、良いところを伸ばしましょう、と言うのは努力のたまものです。素晴らしい。

でも、「目的」とか「意図」を感じてしまうのがどうにも息苦しいのです。
花が小さくても地味でもいい。
原種の「好き勝手やってます」感が私には魅力です。


さてシクラメン

日本人ってシクラメン好きですよね。
シクラメンと言えば、寒くなると母が大きな鉢を買ってきては次のシーズンに持ち越せずにいつの間にか居なくなり、また冬になるとやってくるヤツ。
私のイメージはそんなのでした。

育てるのが難しい植物という印象と、逆さチューリップみたいな花をあまり美しいとは思わなかったので興味が無かったのですが、40歳を過ぎてから好きになりました。
きっかけは特にありません。と、思います(何か忘れているのだろうか?)。

原種が好きと言っておきながら何ですが「江戸ノ青」という品種がすごーく綺麗です(欲しいです)。


シクラメンって主に地中海地方原産なんですよ、知ってました?
改良品種は特にオリエンタルな感じがしますけれども、ギリシャ神話の神々が摘み取ったりしていた花なんですね!(妄想)


シクラメンの園芸品種は山のようにあり、昔は大きな鉢に植えられているものしか見なかったように思いますが、現在は日本の狭小住宅に合わせた小さな鉢に小型の花がこんもりと咲く「ガーデンシクラメン」なるものが一鉢300円前後で販売されています。
安い、、、
思わず買ってしまいますよね。

私も去年うっかり濃いマゼンダカラーのものを「原種しか育てないんじゃ無いのかっ」と自らに突っ込みを入れながら買ってしまいました(写真無し)。


しかしやっぱり原種も欲しい育ててみたいですよね。
それでネットショップで3種買ってみたのですが、買った時期が良くなかったのか苗が小さいからなのかヘロヘロで、新しい鉢に植え替えるかどうか迷っているうちに全部枯れてしまいました(!)
ガーデンシクラメンは比較的長く咲いて、花が終わってからも元気そうでしたが、本格的な夏に突入する頃にはやはり地上部には枯れ葉しか無い状態でした。

それで、プラ鉢のまま夏の間は放置していて、ごくたまに「多分枯れて(死んで)いるんだろうけど、万が一生きているかもしれないし」と水をかけたりしておりました。
本当のところ1%も期待していなかったのですが、9月半ば頃、鉢から何か生えているではないですか!
しかも原種3鉢全てからです!!

生きてたー!!!


生きてました。

原種シクラメン三種

あらためてウィキペディアで確認したところ、

球根は茎が肥大したもので分球せず、表皮がコルク状で乾燥によく耐え

だそうです。
ja.wikipedia.org


ガーデンシクラメンはどうかと言えば、全くの音沙汰無しでしたが、原種に遅れること約一ヶ月、新芽が出てきました!

ガーデンシクラメンもお目覚め


原種のうち2種(リバノチカム、インタミナタム)は葉が出ていますが、シプリアムはいきなり花芽です。
このシプリアムがとーっても良い香り。
毎朝「これがあのシクラメンのかほり、、、」と思いながらクンクンしています。

葉は出ないのかなー


今年はもう少し勉強して育てていこうと思う!

原種ハオルチア

原種に対する考え方は様々あります。
原種を欲しがる人がいるから野性の希少種採取に歯止めがからない。愛好するなら園芸品種にするべき、という考え方。
地味な原種よりそれらを元に新しい品種を作ることに価値を置くという考え方。
素人が安易に交配し、いつの間にか原種が絶えることが無いように原種を維持することに一定の価値があるという考え方。
もちろん、原種の持つ素朴さを愛するというのもあります。

何が正解か。
分かりません。
安易に交配せずに原種のままで維持するという原種主義はヨーロッパ(特にドイツ?)の植物愛好家、研究者に多い考え方のようです。

確かに、素人が珍しい原種を欲しがるから違法採取が起きている現実はあると思います。違法でなくても、国によっては珍しい植物が外貨獲得の元になるため、取り尽くすことになったとしても歯止めをかけない場合もあります(今のブラジル大統領などは典型的)。
そのような場合、国立公園のレンジャーがこっそり採取していたりして嘆かわしいことです。

現地の野生種が絶滅するくらいなら、遠い日本ででも野生由来の原種を維持して置いた方が良いのでは、と言う考えもあります。
私はこの考え方ですが、しかし結局のところ卵が先か鶏が先か問題と同じで「買う人がいるから売る人がいる」のか「売る人がいるから買う人がいる」のか結論は出ません。
私自身の中にも、結局自分は自然破壊に加担しているのではという常に迷いはあります。

しかしながら、絶滅したと思われていた植物が愛好家の温室の片隅でひっそり栽培されていた、なんてニュースも時々はあり、少なくとも手に入れた原種は枯らさずに繋げていこうとかなり真剣な気持ちで育てています。


さて、硬葉系の原種ハオルチアです。
floribundaとあるのでオーストラリアで採取されたものと思われます。
先に真面目な内容を書きましたが、ハオルチアは丈夫ですし、私が持っているものはおそらく1971年採取(私が生まれた年だ!)とのことで、今日までの年月を考えると株分けされたり種を取ったりは絶対されているでしょう。
うちにあるのは株分けかな?
採取から50年経っても名前がないところを見ると、研究者や愛好家の中で地味にやりとりされているものなのかも知れません。

しかしこれがなかなか味わい深いもので、気に入っています。
何が面白いと言って、葉の色です。

入手時

入手は寒くなり始めの時期だったので、全体的に紅葉(?)して赤茶色、葉先のみ緑色が残っていました。
寒さの深まりとともに全体が小豆のような色合いとなり、それはそれで渋かったのですが。

最近の姿

気温が上がるとともに中心が緑色に。
でもこの色、日本人がイメージする春の息吹の色じゃない 笑
なんとも毒々しい緑色で、作り物のようです。しかも、新しい葉が緑色で出てくるのではなく、元の葉も根元から色が変わるんですね。
赤いのはおそらくアントシアニンだと思うのですが、同じ葉の中で、成長点(中心)に近いところは新しくクロロフィルが充満した細胞が作られていて、先端は寒さとともにクロロフィルが少なくなった細胞があるわけだけど、これはそのままになるのではなくてまたクロロフィルが増えて全体が緑色になるってことなんでしょうねぇ?(入手時は今と逆の色味だったし)

紅葉などの落葉樹だと紅葉した葉は落ちるだけで、緑から赤、そしてまた緑へという変化は起きないと思うのですが(植物の専門家ではないのであやふやです)、面白いものです。